初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
ふたりの元に戻ろうとしたら、視線の先に石段のところで見つめ合う成と華の姿が見えた。
俺は立ち止まり、ふたりの姿を見つめる。
もし成が、華の気持ちを知ったら、どうなるんだろう。
いや、成には西内がいる。
成は西内のことが、好きなんだよな……?
俺にハッキリそう言ったもんな。
もし華の気持ちを知っても、どうにかなるわけじゃないよな?
そう何度も自分に言い聞かせるけど、なんでこんなに不安なんだろう。
ふたりが見つめ合う姿なんて、見たくない。
それでも視線を逸らせない。
「なに弱気になってんだよ……バカだな、俺」
諦めないって決めたんじゃん。
華が成を好きでも。
俺は拳をぎゅっと握りしめ、ふたりの元に歩き出した。