初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「焼きそば、うまっ」
俺たちが花火を見上げている横で、成は焼きそばを食べていた。
「成は、花火より焼きそばー?」
華が笑って言うと、成は無邪気な笑顔を見せる。
「だって、めっちゃうまいよ?」
そういえば成って焼きそばが大好物だっけ。
「俺のも食っていーぞ」
「マジ?色羽が優しいんだけど……!明日は大雨だな」
「はぁ?そんなこと言うなら、やっぱ俺が食う」
「えー!?冗談ですやーんっ」
――ヒューーードォーーーン……。
パッときれいに咲いて、一瞬で散っていく。
その一瞬、一瞬を瞳に焼き付ける。
俺の隣で、成の横顔を見つめる華。
そんな華の姿を見て、また切なく胸が痛んだ。
打ち上げ花火が、今年も夏の終わりを告げる。