初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「……キスされると思った?」
「バッカじゃないの!?」
「ここじゃ、しねぇよ」
「こ、ここじゃなくてもしないしっ!」
本当に油断も隙もない。
「今度また俺に隙見せたら、わかんねーから」
隙なんて一度も見せてないしっ!
もう。なんでそんな余裕なの?
こっちの気持ちも少しは考えてよね。
キスしといて、好きって告白したくせして、そのあとは何事もなかったような態度で。
そうかと思えば、急に男の子の顔になる。
色羽ってホントわかんない。
色羽はフッと笑ったあと、掴んでいたあたしの腕を離した。
「……わっ」
あたしの頭をグシャグシャっとしたあと、色羽は歩いていってしまう。
「ちょっと!どこ行くの?」
「どっか。……すぐ戻る」
ホント……勝手なんだから。
あたしは胸に手をあて、呼吸を落ち着かせた。
色羽のバカ。
あたしもバカ。
完全に色羽に振り回されてる。