初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「成くんや色羽くんに自分たちが相手にされないからって、ひがんでるんでしょ?まともにしゃべってさえもらえないもんね?こんなことしか出来ないなんて本当ダサッ」
砂歩、強い。強すぎる。
彼女たちも悔しそうな顔してるし。
全然負けてない。
ていうかなに?あの子たちは、成や色羽のことが好きなわけ?
ホントにモテるなアイツら……。
「てめぇ、だまれよ!本気で痛い目に遭わなきゃわかんねーみたいだな」
ふたりの女子が、砂歩の腕を掴んで体を押さえた。
そして、ひとりの女子が、砂歩の髪を思い切り引っ張る。
このままじゃホントにヤバい!
行かなきゃ!助けなきゃ!
砂歩が危ない……っ!
負けるな、あたし!
自分の胸を思い切り叩いて気合いを入れる。
「さ、砂……」
あたしが走り出そうとすると、うしろから肩をガシッと掴まれた。
「え……?」
振り返ると、成だった。
「俺がいく」
そう言って成は、先にひとりで走っていってしまった。
「え……ちょっ……成……」
あたしはその場に立ちつくす。