初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「俺の彼女になんの用?」
普段と同じ明るいノリで聞いた成は、彼女たちに向かってニコッと笑った。
成の登場に驚いた彼女たちは、慌てて砂歩の体から手を離す。
「う、うちらは別に……」
動揺した彼女たちは、その場からすぐに離れようとする。
「西内、なにされたの?」
「なんもされてないよ」
砂歩は掴まれてグシャグシャになった髪を整えた。
「あぁ、待って」
成の大きな声に、彼女たちは足を止める。
「今度また西内のこと傷つけたら、俺が許さないから」
成はいつもとは違う低い声で、彼女たちに言った。
あんなふうに怒った成を見たのは、初めてかもしれない。
彼女たちは、気まずそうな表情をして逃げるように去っていった。