初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「え?なんて言った?」
小声で聞こえなかったのか、成はあたしの顔に耳を近づけて聞きかえした。
――ドキッ。
成の髪からいい匂いがする。
ダメだ。胸がぎゅってなる。
「やっぱりいいや……なんでもないっ」
砂歩が他校の友達とまわってるときに、あたしこんなところで何やってるんだろう。
あたしはスッと立ち上がる。
「あたし行くね、色羽のとこ」
「え?あぁ、うん」
「じゃーねっ」
――ズルッ。
あたしは成の衣装の長いマントを足で踏んでしまい、前のめりにすべってしまう。
「ギャッ」
「わっ」
――ドサッ。
足をすべらせたあたしは、成の体に覆いかぶさるように倒れ込んでしまった。