初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
あたしは、屋上に続く階段のところにひとり座っていた。
さっきの出来事が頭から離れない。
あたしが足をすべらせて倒れ込んだのを、成が下敷きになって受け止めてくれた。
成の体から離れようとしたあたしを、成はぎゅっと抱きしめた。
やっぱり勘違いじゃないよね?
一瞬だったけど、成の腕の強さを感じた。
どうしてそんなことしたんだろう。
いや、別に意味なんてないのかもしれない。
そうだよ。意味なんてあるわけない。
昨夜は文化祭が楽しみすぎて、あんまり眠れなかったから。
寝不足のせいであたしの頭がおかしくなってるんだ。
そうだ、きっと、そう。
「ふぁ~あ。ねむぅ」
当番までまだ時間あるし。
ほんのちょっとだけ昼寝しよ。
あたしは階段に座ったまま、壁にもたれかかった。
眠い……。
ウトウトするあたしは、そのまま目を閉じる。