初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
西内は照れたようにうつむく。
「教室……誰か来るかも。見られてもいいの……?」
俺は西内の髪をそっと撫でる。
「……いいよ、見られたって」
俺の言葉に西内が顔を上げた瞬間、
俺はキスをした――。
だけど目を閉じると、
華にキスしたときのことが、よみがえってくる……。
重ねた唇を離すと、西内は俺をジッと見つめた。
「なにも考えないで……?」
「え?」
「いまだけは砂歩のこと見て……」
「……いつも西内のこと見てるよ」
うそつきだな、俺は……。
それでも西内は、やっぱり優しい表情で微笑むんだ。
きっと、俺の気持ち全部わかってて。
それでも――。