初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

あちこちさがして、やっと華を見つけた。



体育館裏の石の階段に、ひとり膝を抱えて座っていた。



「華」



俺の声に、うつむいていた華は顔を上げる。



「中、入んねーの?」



華は小さく頷いた。



体育館の中は、バンドの演奏で盛り上がっている。



俺は華の隣に座った。



「色羽……そんなに息切らして、どーしたの?」



「決まってんだろ。おまえのことさがしてたんだよ。つーか、うちの学校マジで広すぎ……いまさら気づいた……」



「ごめん……色羽」



「見つかったからいーよ。んで?ここでなにしてんだ?」



「……別になにも」



華は黙り込む。



「もしかして成のこと待ってるとか?」
< 178 / 328 >

この作品をシェア

pagetop