初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「あたしは別に……。成は砂歩と一緒にいるだろうし……」
本当は、成がさがしに来てくれるのを待ってたんだろ……?
体育館裏……。
この場所は、西内がいなくなった時、成がさがしに来た場所だもんな。
だから華は、ここで待ってた。
そうだろ?
自分がいなくなっても、きっと成が見つけてくれる。
探しに来てくれるかもしれないっていう、ほんの少しの期待を信じて、
おまえは、ここで待ってたんだな……。
「華……」
俺は、うつむく華の頭を撫でた。
……俺は華を見つけるよ。
いなくなっても。どこにいても。
華のこと見つけるまで、探し続けるよ。
絶対に見つける。
「成は、おまえがいなくなったことにさえ気づいてないよ」
華は小さく頷く。
「わかってるよ。成が来てくれるわけないじゃん」
華は声を震わせた。
「色羽……あたしだってわかってるよぉ……。成は砂歩と付き合ってるんだもん……」
「華……」
「成はあたしのこと幼なじみとしか見てないし……砂歩はあたしの友達だし……。ふたりのこと祝福しなくちゃいけないのも最初からわかってる。わかってるよ……そんなのぉ……」
顔を上げた華の目には、涙が溢れていた。
「わかってるけど……どうにもならない気持ちもあるでしょ……?バカでも期待して、やっぱりダメで傷ついて……強がってみても、ほんの少しのことでまた弱くなって……」
華も俺と同じなんだな……。こんなにつらいんだな、おまえも。
「この気持ちはどぉすればいい……?どぉしたら忘れられるのぉ……?もぉ……やだよぉ……」
華の涙が、頬を伝ってこぼれ落ちていく。
「どぉしたらいいのぉ……?教えてよ、色羽……」