初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
本当の気持ち
――――――……
春。桜の花びらが舞う季節。
教室の窓から差し込む光がポカポカと暖かい。
あたしたちは高校3年生になった。
新しい教室になって、少しだけ新鮮な気分。
「すっかり忘れてたけど、3年てクラス替えなかったんだね」
2年から3年になるとき、うちの高校はクラス替えがない。
教室が変わるだけだ。
「忘れてたって……まぁー華らしいけどさ」
休み時間、砂歩と教室でしゃべっていた。
「怖い女子たちと同じクラスになる心配もないし、砂歩と卒業まで一緒だし!あたしの高校生活最後の1年もおかげで安泰だわ」
砂歩も、色羽も成も4人また一緒のクラスってことだから、うれしい。
あたしたち3人の関係は相変わらずで。
成と砂歩も、うまくいっているみたい。
「卒業まで、あと1年かぁ……」
あたしが机に頬杖をついて呟くと、砂歩は微笑んだ。
「きっとあっというまだろうね。今日からまたよろしくね、華」
「うん!こちらこそよろしくっ!砂歩」