初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

色羽はあたしの顔をジッと見つめる。



「あ、あたし……ノド乾いちゃったなぁ~。水飲みにいこーっと」



歩き出したあたしのうしろから、色羽が抱き締めてくる。



「なっ……なにしてんの……?誰かに見られたらどーすんのよっ」



「さぁ?どーしようね」



「ふざけないでってば」



「ふざけてるように見えんの?」



「なっ……」



黙り込むあたし。色羽は腕を離した。



「日曜日さ……出掛けねぇ?」



「え……?」



「ふたりで」



あたしたちは見つめ合う。



あれからずっと、色羽を待たせたままのあたし。



“俺んとこくればいいじゃん”



あたしは考える時間が欲しいといって、ずっとあやふやなままにしてきた。



“焦らなくていい。いつまでも待つから”



色羽の言葉に、優しさに甘えてきた。



「俺、行きたいとこあんだよね。付き合ってくんね?」



「……うん。わかった」



あたしが頷くと、色羽は笑顔を見せた。



そろそろ答えを出さなきゃ。



いつまでも待たせたままじゃダメだ。
< 205 / 328 >

この作品をシェア

pagetop