初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
色羽はあたしの顔をジッと見つめる。
「あ、あたし……ノド乾いちゃったなぁ~。水飲みにいこーっと」
歩き出したあたしのうしろから、色羽が抱き締めてくる。
「なっ……なにしてんの……?誰かに見られたらどーすんのよっ」
「さぁ?どーしようね」
「ふざけないでってば」
「ふざけてるように見えんの?」
「なっ……」
黙り込むあたし。色羽は腕を離した。
「日曜日さ……出掛けねぇ?」
「え……?」
「ふたりで」
あたしたちは見つめ合う。
あれからずっと、色羽を待たせたままのあたし。
“俺んとこくればいいじゃん”
あたしは考える時間が欲しいといって、ずっとあやふやなままにしてきた。
“焦らなくていい。いつまでも待つから”
色羽の言葉に、優しさに甘えてきた。
「俺、行きたいとこあんだよね。付き合ってくんね?」
「……うん。わかった」
あたしが頷くと、色羽は笑顔を見せた。
そろそろ答えを出さなきゃ。
いつまでも待たせたままじゃダメだ。