初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

帰りの電車の中、色羽とあたしは並んで座っている。



車内はほとんどお客さんがいない。



この車両は、ほぼ貸し切り状態だった。



「ねぇ、色羽」



「ん?」



「ヘンなこと……聞いてもいい?」



「ヘンなこと?」



「その……なんで……あたしなの?」



「え?」



自分から聞いておいて、こんなに恥ずかしくなるなんて……。



いま絶対。いや確実に顔赤いな、あたし。



「俺が華を好きな理由?」



「は、話したくなかったら別にいいからっ……」



「好きになるのに理由なんてねぇだろ」



――ドキッ。



なにドキドキしてんだ、あたしは。



あれ……?



そういえばいつからだろう。



なんでこんなふうに胸が熱くなるんだろう。



「気づいたら好きだった。初恋をそのまま想い続けてきた。それだけ」



「そ、そうですか……」



照れるな、あたし。



「あ、でも、華のことすっげー好きだなって思った出来事が中3の時にあった」
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