初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

さっき華の話を聞いて、やっぱりあのとき感じたことは、まちがいじゃなかったと感じる。



成が西内と付き合い始めたばかりの頃、俺は成と屋上で話した。



あの時、俺は成にたずねた。



本当に西内のことが好きなのかって……。



成は、少しも間を空けずに答えた。



西内のことが好きだと。



少しも間を空けなかったことが、逆に不自然だと気づくべきだった。



あの時の俺は、自分を納得させるかのように、言い聞かせていた。



成だって、西内が好きだから付き合っているんだ。



西内のこと好きでもないのに、付き合うわけない。



そう自分に言い聞かせていた。



そのあと俺は、俺が華と付き合ってもいいのかと成に聞いた。



なぜそんな質問をしたんだろう。



成も小さい頃からずっと華のことが好きだと、



俺は思っていたからだ。
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