初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

「華」



振り返ると、部活のバックを持った色羽が立っていた。



「なぁに?色羽」



「今日部活あるんだけどさ……そのあとちょっといいか?」



「え?うん。改まって、どうしたの?」



「今日は記念日だから」



色羽の言葉に、あたしは首を傾げる。



「え?なんの記念日?」



「それはまたあとでな。部活行ってくる」



「いってらっしゃい」



あたしが手を振ると、色羽はあたしの顔を見つめた。



「6時に原っぱで」



「わざわざ家の近くの原っぱで待ち合わせ?」



「あぁ。約束なー」



色羽は、手を振りながら教室を出て行った。
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