初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
帰り道の途中、橋の手前で川原の方から子供の泣き声が聞こえた。
「うぇぇぇーーーんっ……うぇぇーーーんっ……」
川原の方に走っていくと、小学校低学年くらいの小さな女の子が、ひとりでしゃがみこみ大声で泣いていた。
「どした?」
俺が女の子の前にしゃがみこんで顔を覗き込むと、女の子は泣きながら俺にしがみつく。
「うぇぇぇーーーんっ」
「よしよし。どした?泣いてたら、わかんないぞ?」
優しく女の子の頭を撫でる。
「おにぃちゃーーん」
「うん、どしたんだ?」
「たすけてぇ……っく……っく……」
助けて……?
「……うぇぇぇーーーん……たすけてぇ……おにぃちゃぁぁ……」
女の子が指差した方向に視線を向ける。
――ドサッ。
立ち上がった俺は、持っていたカバンと紙袋を地面に落とした。