初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

「色羽から?」



「ううん、家の電話から……もしもし?お母さん?」



電話に出ると、お母さんの慌てた声が聞こえてきた。



『華っ!いまどこにいるのっ!?』



お母さんの様子がいつもと違うことには、すぐに気づいた。



「え?家の近くの原っぱにいるけど……」



『色羽くんが……』



……え?



なに……?



お母さんがなにを言ってるのか、全然わかんないよ。



――ガシャンッ。



全身の力が一気に抜けて、耳にあてていたケータイが地面に落ちた。



その音で、あたしはハッとする。



「華?どした?」



「……な……る……っ」



あたしは倒れそうになり、咄嗟に成の体につかまった。



「……色羽が……っ」



「色羽がどした?」



「……色羽が……病院に……」



「病院……?なにがあった?」



「早く行かなきゃ……早く……」



行かなきゃ――。



こんなのうそだって……誰か言ってよ……。
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