初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「もちろんっ」
俺は、明るい声で答えた。
「色羽と華が付き合ったら、うれしいよ。だって、それが……いまの俺の願いだから」
そう言って俺は、色羽の肩を組んで微笑んだ。
「成……おまえ、もしかして……」
色羽は俺の瞳を真っ直ぐに見つめる。
その時。
「成くーんっ!」
後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。
振り向くと、西内が屋上のドアのところに立っている。
色羽は、肩に置かれた俺の手を退けた。
「俺、行くわ」
「……あぁ。悪いな、色羽」
色羽は何を言いかけたんだろう。
俺はドアの方へと歩いてく色羽の背中を見つめる。
「色羽くん、ごめんね?」
横を通り過ぎる色羽に、西内は手を合わせて謝る。
「いや、ごゆっくり」
そう言って色羽は、屋上を去っていった。