初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「じゃあ……どういう関係だと思ってんの?」
俺が聞くと、西内は俺の顔を見たあとで、またうつむいた。
「だって成くん……。砂歩が告白したとき、ちゃんと返事してくれなかったから……好きとか、付き合おうとか……そういうの言われてないから……」
「そうだったな、ごめん」
「別に謝ってほしいんじゃなくて……そうじゃなくて……」
「うん、わかってる……」
同じコンビニでバイトしている、西内と俺。
あの日から、俺たちの関係は始まった。
――――……
バイト先から帰ろうとした、ある日のこと――。
『成くんっ』
着替えて外に出ると、コンビニの駐車場で西内が待っていた。
『西内?どした?もう先に帰ったと思ってた』
『成くんに話があって……』
『俺に話?なーに?』
明るく聞いた俺とは裏腹に、西内の表情は何か思いつめたような感じだった。
『うん……あのね……えっと……』
西内は黙り込んでしまった。
バイト先のコンビニから、西内の家と俺の家は逆方向の道。
一緒に帰ったことは、今まで一度もなかった。
『西内の家ってさ、ここから近いんだっけ?』
『え?うん』
『じゃあ、家まで送ってくよ』
俺が言うと、西内はニコッと微笑んだ。
『行こうぜ』
『うんっ』
西内は、自分の自転車を押しながら、俺の少し後ろを歩いた。