初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
でも華への想いはもう、消すことにしたんだ。
あの日、俺は心に決めたんだ。
もう忘れるって。
踏み出したら、もう二度と振り返らないって。
―――……
高2の春頃だったと思う。
夜、華の部屋で映画のDVDを3人で見た日のこと――。
俺たちは、床に敷いた布団の上に寝そべって映画を見ていた。
『……ンガッー』
映画の途中で華は、いつのまにか寝ていた。
『なにいまの……イビキ?』
色羽と俺は顔を見合わせて、華を起こさないようお互いに笑いを堪える。
『……ゴゴゴッ……スカー……』
『すげぇイビキだな。よだれ垂らしてるし』
そう言って色羽は、華の寝顔をいとおしそうに見つめる。
『……色羽』
『ん?』
普段、そういう話しないけど。
やっぱり色羽はさ、華のこと……
小さい頃から変わらず、ずっと想い続けてるんだよな?
『なんでもなーい』
『なんだよ、成』
『言いたかったこと忘れちった』
『はぁ?ボケてんのかよ』
『ふっ……映画の続き、見ようぜっ』
色羽の気持ちは、聞かなくてもわかるよ。