初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
映画が終わり、俺と色羽もそのまま華の部屋で眠りについた。
夜中、俺はふと目が覚める。
横を見ると、色羽は華の首に腕を巻きつけて寝ていた。
俺は起き上がって布団の上に座り、色羽と華の寝顔を見つめた。
正直言うと、何とも言えない気持ちだった。
微笑ましくもあり、切なくもある。
しばらく俺は、ふたりの寝顔を見つめていた。
なぁ……俺たちさ、いつまで一緒にいられるんだろーな。
そのとき、色羽の瞑った目から、涙がこぼれているのに気づく。
『……母ちゃ……っ……ごめ……ん……』
寝言で涙を流す色羽を見て……俺もまた胸が苦しくて泣きそうになった。
もしかして“あの時”のこと、色羽はまだ心の中で……。
あれから何も言わないし、全然平気そうにしてたから。
色羽は普通にしてたから。
だから“あの時”のことは、もう気にしてないって思ってた。
でも、俺たちの前では、わざと普通にして見せてたのかな。
あれからずっと自分のことを責めてきたのか?
俺や華にも言えずに、ひとりで心の中で苦しんでた?