初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「花火っ!?」
華の声が一気に明るくなる。
「そう。花火」
「やろやろーっ!わーいっ」
やっと、うれしそうな顔になってくれた。
「去年やった花火の残りって、まだ華の家にあったっけ?」
「あると思うけど、足りないかも。まぁ、買いに行けばいっか」
「うん」
「確か土曜日は、成もバイト休みだしね!今年も3人で花火やる季節になったんだねっ」
今年も3人で花火……。
「色羽?」
「あぁ、そーだな」
そう。俺たちはいつも。
3人一緒に過ごしてきた。
なのにどうして華は、成なんだろう。
俺だってずっと、華のそばにいた。
小さい頃からずっと華だけを見てきた。
誰よりも華のことが好きだって……
そう思うのに。
でも華が見つめるのは、
好きになったのは、
成なんだな……。