初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
土曜日の夜。
夜空には、たくさんの星が瞬いていた。
俺ん家の庭で花火をやることになり、俺は縁側に座り、華と成が来るのを待っていた。
「おーい!色羽ー!」
「色羽~っ!お待たせ~」
成と華が、玄関の門を入って、そのまま庭へとやってきた。
「ねぇ、色羽。成ってば、こんなにたくさん花火買ってきたんだよー?」
成が昨日、バイト先のコンビニで買っておいた花火を持ってきてくれた。
「ホントだ。すげぇー買ったな」
「ハハッ。だろー?いろんな種類あるよ。どれからやる?」
そう言って成は、両手に花火を持ち満面の笑みを見せた。
「これやろー!これこれーっ」
華が言うと、成が鼻でフッと笑った。
「やっぱりな。華が好きそうな花火だなーって思って買ったんだよね、それ」
「え?ウソ!なんでわかったの?」
「わかるよ。何年一緒にいると思ってんだよ~」
成の言葉に、うれしそうな顔をする華。
華と目が合う。
「色羽?どしたの?」
「いや別に。さっ。やろーぜ」
毎年、夏の始まりに3人で花火をするのが、小さいときからの恒例行事になっていた。
今年もこの季節が来たんだなと、無邪気にはしゃぐふたりを見つめて思った。
変わらないな……俺たち。
なんだかすごく、ホッとする。