君がいたから
 私は鼻をすすりながら、手のひらにくっきりと痕が残る程に握りしめていたネックレスを見つめた。
『幸福の四つ葉のクローバー』──「幸せに」って書いてあった。
 真己はたくさんの幸せをくれたね。真己がくれた以上の幸せなんて、これから先もらえるのかな?

 
 ぽんぽん。私はすっと立ち上がりスカートについた草を払い落した。

「ごめんね、真己」

 先ほどの問いかけに答えるように私は呟く。

 幸せになれるかもしれない。未来のことなんてわからないから。

 

 

 

 

 
 だけど、もう恋はしない。








 漠然と、でも確信を心の奥底で感じながら私は思った──

 

 

 

 

 

「真己がいたから幸せだったんだもん」

 

 







 
  End




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