美狐はベッドの上で愛をささやく
だって、こんなに顔が熱い。
まるで、わたしの顔が燃えているみたいだ。
「紗良ちゃん、ありがとう」
ありがとうなんて、こっちの言うセリフだ。
紅さんがいなければ、霊体に悩まされていたわたしは、今頃どうなっていたのかわからない。
だからつい、涙が溢(アフ)れてしまう……。
涙が頬を伝う。
「紗良ちゃんは泣き虫さんだね」
「……っ…………」
紅さんの優しい声と一緒に、わたしの頭が撫でられる。
そうすると、涙は止まるどころか、もっと溢れてくる。
ポロリ。
涙はまた流れてしまった……。
だけど、その涙はわたしが今着ている真っ白な浴衣へと落ちる前に、紅さんの親指によって受け止められた。
その優しい仕草に……また、泣いてしまう。
「っ…………」
わたしはそのまま、涙を流し続ける……。
そうしたら……。