美狐はベッドの上で愛をささやく
それくらい、ここに来ているっていうことだもんね……。
わたしが紅さんと出会う前からずっと、ふたりはそうして過ごしていたんだものね……。
だからわたしがどうこう思うことじゃない。
そう思うのに、胸がズキズキするのは、どうしてなのかな……。
一緒にいるところを想像すると……。
わたしと同じようなことを真赭さんにしているのかと思うと……。
心が苦しい。
キスだって……真赭さんともしているのかな……。
「っ、でも、紅さんとは年齢が……」
大きく離れすぎているんじゃないかな……。
真赭さんと紅さんがキスしていることを思い浮かべた瞬間、わたしの中で何かドロドロしたものが見えたような気がした。
気がつけば、意地の悪い言葉を口走る。
だけど、真赭さんはわたしが口走ったセリフを最後までは言わせなかった。
彼女はとがった顎を上に向けて、やっぱり強気に答える。