美狐はベッドの上で愛をささやく
そこでわたしは真赭さんが紅さんの隣にいて、微笑み合っているのを想像した。
その瞬間だった。
ズキン。
わたしの胸がこれまでにないくらい、強く締め付けられた。
「っつ!!」
――ああ、どうしよう。
そこで気づいてしまった想い。
わたしだけが紅さんに優しくされているんじゃないと思った時も……。
紅さんにキスされて、ドキドキしているのはわたしだけだと思った時も……。
胸が痛んだのは、きっとそういうこと……。
それは、わたしが抱いてはいけないもの……。
だけど、もう自分の気持ちに気がついてしまった。
……どうしよう。
わたし、紅さんが好きなんだ……。
わたしは……なんて…………。
なんて、汚いんだろう。
紅さんは、けっしてわたしと同じ想いにはならないのに……。
わたしは、紅さんにそれを求めている。
わたし、紅さんに『愛してる』って言われたいんだ。