美狐はベッドの上で愛をささやく
「じゃ、じゃあ、わたしに紅さんを好きだって言ったのって!!」
「嗾(ケシカ)けられたね……」
えっ!?
けしかけっ!?
クスクスと笑う紅さんの息が、わたしの頬をかすめる。
「真赭にも困ったものだ。とはいえ、紗良の気持ちを聞けたわけだし、彼女には感謝しなくてはいけないかな」
じゃあ、
だったら……。
「好きで……いていいの?」
「うん?」
「紅さんを……好きでいていいの?」
「愛し合っていると言って欲しいな」
ポツリと言った言葉を訂正させられた。
……んだけど。
「っ、あいっ!?」
ドッキン!!
わたしの胸が大きく高鳴った。
「わたしとそう言う仲になるのは嫌かい?」
優しく微笑まれた。
その笑顔は……わたしの瞼を熱くさせる。
涙が……溢れそうだ……。
「そっ、そんなことはないですっ!!」
「……そう、良かった」