美狐はベッドの上で愛をささやく

*･ﾟ★｡･*訪問者。*

☆
゜
｡
　．　゜
｡　。
　｡





ピンポーン。

あたたかな午後の日差しに包まれた心地良い眠りは、滅多に鳴らない紅(ｸﾚﾅｲ)さんの家のチャイムによって遮られた。



「ん……」


いったい誰だろう？


チャイムの音は、まるで家の中にわたしがいるっていうことを知っているように鳴り続けている。




ドジなわたしは転げ落ちないよう、ベッドからゆっくり起き上がって、寝間着から着替えるために隣の部屋へと移動した。


そこには、わたしのお腹くらいまでの高さに、幅はベッドくらいの横長なタンス。

それから等身大の鏡が置いている。



タンスの一番上の引き出しを開ければ、前に紅さんが買ってくれたわたしの洋服がたくさん入っている。




ピンポーン。



「うっ……。はーい、ちょっと待ってください。今行きます」

わたしは一向に鳴り止む気配がないチャイムに返事をひとつして、白のワンピースを着た。




そうして部屋を出ると、階段下にある玄関へと急いだ。