俺様王子と2℃の恋
 それからぽくぽくと歩き、バス停に到着する。人は、誰もいない。

「(今日も来るって永人からメールあったのに……来なかった? 珍しい)」

 ホッとするものの、いないならいないでまた違和感を覚える。こういうのは有言実行するのが永人だと知っているからだ。

「……ふぅ」

 ため息ではない。溜まっていた空気をゆっくりと外に出して、気分を落ち着ける。

 すると横から「来ないな」と王宮さん。ドキッと肩が跳ねた。
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