俺様王子と2℃の恋
「そこにあるの何でも飲んで」

 目を向けると、机の上に数本並んだ缶ジュース。確かになんだか喉も乾いているし、水分が恋しい。だけど、今は飲む気にはなれない。

 なぜかって――

「何か、怒ってます?」

 王宮さんが不機嫌かも?――そのことが気になっていたからだ。

 だけど彼は「別に」の一点張り。口調はいつもこんな感じだから特に気にはしないけど、態度やオーラが少し重い。

「……(ムッ)」

 私を慰めてくれるんじゃなかったの――?

 こんな自己中心的なことを、私は考えていた。
< 134 / 319 >

この作品をシェア

pagetop