俺様王子と2℃の恋
 彼女役にのめりこみすぎると、後が怖い――

 そんなことは分かっていた。でも、忘れていた。

 だから私はもう一度、ブレーキを踏む。

「おい、木下。どうしたんだ?」

「……」

 危ない橋は、渡らない。

「(うん)」


 私は、王宮さんの仮彼女――

 
< 138 / 319 >

この作品をシェア

pagetop