俺様王子と2℃の恋
バタンッ
その後はもう、必死だった――
「はぁ、はぁ!」
走って、走って、彼の家が見えなくなるまで走って――すると気づいた時には、バス停をいくつか越えていた。
「はぁ、はぁ!」
走って、走って、もっと走って。
この想いが私から剥がれるように、
この重りが私から落ちてくように、
もっとずっと、遠くまで。
「はぁ、はぁ!」
そして記憶さえも、消えてしまえばいいのに――そんなことを考えていた。
その後はもう、必死だった――
「はぁ、はぁ!」
走って、走って、彼の家が見えなくなるまで走って――すると気づいた時には、バス停をいくつか越えていた。
「はぁ、はぁ!」
走って、走って、もっと走って。
この想いが私から剥がれるように、
この重りが私から落ちてくように、
もっとずっと、遠くまで。
「はぁ、はぁ!」
そして記憶さえも、消えてしまえばいいのに――そんなことを考えていた。