俺様王子と2℃の恋
「それ、絶対面白がってるだろ?」

「いえいえそんなことないですよ」

 正直冗談でもないとこんなことは言えないので、もちろんからかっている。その証拠に、フフと笑みが漏れた。だけど――


 グンッ


「わわ!?」

「じゃあ彩花のその強情な性格は、俺が直すとするか」

 手は繋いだまま走り、走り、バス亭を通り過ぎる。もう後ろにはすぐそばまで迫ったバスが見えていた。
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