俺様王子と2℃の恋
さっきは否定したけども、けど、今度は素直になってみよう――
そう思った。
「うん、私も三里さんの言うこと分かった気がする」
聞こえるか聞こえないかの声は彼に届かず、けれど確実に私の胸を熱くしていく。
「(ポカポカ温かい、まるで陽だまりの中にいるよう……)」
ごっこを超えて、その先へ――
二人で見る景色、次は何が見えるのだろう。
期待はある。
不安はない。
二人でならばどんな景色も絶景になるだろうから、
あの店までもう少し、この甘い時間を過ごそうと思う。
王宮さんと二度目の恋――
今度は偽物じゃなく本物を。
本物の愛を受けて、温かな恋を。
私は恋をする。
同じ人に、二度の恋をする。
「(俺様王子と二度の恋……なんてね!)」
≪完≫