俺様王子と2℃の恋
「数日前の方が」

 かわいかった――

 ギリギリ言うのを堪えたが、それでも俺の言わんとすることが彩花には伝わったらしい。校門をくぐった直後に「私もそう思う」と言った。いやに素直だ。

「ここ数日、風当たり強かったじゃない? 主に王宮さ……樹の追っかけのせいで」

「……あぁ」

 確かにそうだ。今も何も言われないが、周りからの女子の目がキツい。
 この視線が全部彩花に向かっていると思うと、いくら盾になろうともきっと守り切れないだろう。
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