俺様王子と2℃の恋
「……ッぷは!」

 キーンコーンカーンコーン――

 予鈴が鳴り終わるのと同時に唇を離す彩花。ネクタイはとうに解放されていたけど、俺はまだ動けないままだ。その、動揺して……。

 そんな時に、彩花のこんな言葉だ。

「わ、私だって……キス、したくないわけじゃないんですからね……ッ」

「――」

 だけど場所をわきまえて下さい!と必死に言ってる彩花をもうマジマジと見ることは出来ず。俺はもう少し身を屈めて、二度目のキスを送るのだった。
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