俺様王子と2℃の恋
「いいんで……いいの? 樹」
「いいんだ。行こう、彩花」
「……うん」
ここから立ち去ることが決まれば、見えなくなる曲がり角まで急いで歩く。
背を向けることでもしや何かされるかも、と思ったけど『彼女』発言が余程ショックだったのか何もされなかった。
もしや後ろで歯を噛みしめているのかも――?
「……はぁ」
「……」
私のため息に王宮さんは視線だけを寄越し、声はかけない。
「(冷たい人。いや、寡黙なだけか……)」
改めて、そう感じた。
「いいんだ。行こう、彩花」
「……うん」
ここから立ち去ることが決まれば、見えなくなる曲がり角まで急いで歩く。
背を向けることでもしや何かされるかも、と思ったけど『彼女』発言が余程ショックだったのか何もされなかった。
もしや後ろで歯を噛みしめているのかも――?
「……はぁ」
「……」
私のため息に王宮さんは視線だけを寄越し、声はかけない。
「(冷たい人。いや、寡黙なだけか……)」
改めて、そう感じた。