俺様王子と2℃の恋
「メールありがとうございました。でも、もう少し言葉を足してくれてもいいんじゃ……」

「は?」

 不機嫌そうに眉を顰める王宮さん。真っ黒の彼の瞳が、僅かに歪んでいる。

「“何か変わったこと”って、解読がギリギリの範囲でしたよ?」

「分かったんならいんじゃね?」

「そうですけど……」

 すると私の隣で「はぁ」と溜息をつく王宮さん。その様子から、私を面倒くさがっていることがありありと見てとれた。

「……やっぱり、やめます?」

「は?」

「恋人のフリしてるの」
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