俺様王子と2℃の恋
3.俺様偽彼氏の正体
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腕を掴んだだけだった。
王宮さんがあまりにも早く歩き出したものだから、咄嗟に手を掴んでしまった。
だけど、その反応が――
「あの、なんでそんなに離れてるんですか……?」
「………………は? 何言ってんの?」
「いや、現在進行形で離れてますよね?」
「知らね」
プイッとソッポを向く王宮さんだけど、私の掴んだ手首を執拗に触ってあたかも『汚いものに当たった』と言わんばかりの態度だ。
「(ムッ)」
さすがに、気分を悪くする。
王宮さんがあまりにも早く歩き出したものだから、咄嗟に手を掴んでしまった。
だけど、その反応が――
「あの、なんでそんなに離れてるんですか……?」
「………………は? 何言ってんの?」
「いや、現在進行形で離れてますよね?」
「知らね」
プイッとソッポを向く王宮さんだけど、私の掴んだ手首を執拗に触ってあたかも『汚いものに当たった』と言わんばかりの態度だ。
「(ムッ)」
さすがに、気分を悪くする。