俺様王子と2℃の恋
「どうせ可愛くないですよ」

 とツンと拗ねたふりをする。すると、まるで困った風を見せない彼が後ろから颯爽と走って来て、

「いいから、お前はこっち」

 と私の右手をさらった。


 グイッ


 今日、何度目かになるか分からないけど……初めて王宮さんの後ろ姿をジッと見た。

 背中は広くて、男らしく少しゴツゴツしていて。ブレザーも私のとは違って大きくて、身長の低い私なんかが着たらワンピースになってしまいそう。

「(でも)」

 そんな彼は、女の子が苦手。

「……フフッ」
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