俺様王子と2℃の恋
2
「とうちゃーく」
「はぁ、はぁ、疲れました……っ」
日頃運動をしていない不摂生が祟ったのか、バス亭に着くころには息があがっていた。何もダメージを受けず、走る前と変わらない王宮さんの姿が嘘のようだ。
「お前、本当に体力ねーな」
「ほ、放っておいてください」
「まだバス来るまで時間あるし、座ろーぜ……って先客いたわ」
「(ちぃっ!)」
あいにく、バス亭に設置されている椅子は長椅子一つのみ。ここはお年寄りよりも元気ある学生が利用する所のため、屋根付きの立派なバス亭であるにも関わらず椅子の数が乏しいのだ。
この雨に輪をかけて椅子まで座れないとは、運がない――
そう落胆した時のこと。
「彩花?」
その場に、私を呼ぶ凛とした声が響いた。
「はぁ、はぁ、疲れました……っ」
日頃運動をしていない不摂生が祟ったのか、バス亭に着くころには息があがっていた。何もダメージを受けず、走る前と変わらない王宮さんの姿が嘘のようだ。
「お前、本当に体力ねーな」
「ほ、放っておいてください」
「まだバス来るまで時間あるし、座ろーぜ……って先客いたわ」
「(ちぃっ!)」
あいにく、バス亭に設置されている椅子は長椅子一つのみ。ここはお年寄りよりも元気ある学生が利用する所のため、屋根付きの立派なバス亭であるにも関わらず椅子の数が乏しいのだ。
この雨に輪をかけて椅子まで座れないとは、運がない――
そう落胆した時のこと。
「彩花?」
その場に、私を呼ぶ凛とした声が響いた。