狼王子とお姫様

      ・ ・・
『今年の姫は・・・ 橘 友里さんです』




ザワザワ・・・




あた・・し?



『壇上に上がってください』



「ほらっ。友里、行って来なさいよ」




あたしはしぶしぶ壇上に向かった。



タンタン・・・



『友里さんには特別寮で僕と暮らしてもらいます』



「そん・・・」



『これはもう学園で決まったことですから』



あたしの言葉はさえぎられた



『では、これで発表を終ります』





あたしの腕を掴んで壇上を降りていく







――――――・・・「席に戻って」






彼はあたしの耳元でそうささやいた




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