【完】金髪クンの恋愛事情
「ごめんね、優愛。でもこれも優愛のためだから。」
七海ちゃんはそう言って図書室から出て行った。
ーーカシャン
嫌な音がする。
「え、七海ちゃん…?」
ドアを開けようとするけど鍵がかかってるようであかない。
うちの学校の図書室は古いから内鍵なんてない。
「ど、しよ…」
てか、なんで?七海ちゃんは閉じ込めたの?私のためってなにが?
「誰かっ、開けてください…っ!」
ドアをバンバン叩き、大声で叫ぶ。
「……んなことしても意味ねぇよ。」
スッと通るような低音ボイスが聞こえた。
「へ、く、ろさわくん…?」
振り返るとそこには黒澤君がいた。
「ここは教室とかと掛け離れてるから誰も通らねぇ。
しかも図書室なんて俺とおまえ以外使用しねーよ。」
困ったように頭をかく黒澤君に抱きつきたい衝動をかられる。
「じゃあ、窓からとか……」
それを必死に抑えて脱出方法を考える。
「無理。ここ3階。しかも下はコンクリートだからあぶねぇよ。」