【完】金髪クンの恋愛事情
「なにする…っ!」
「名前で呼べよ。じゃなきゃ離さない。」
黒澤君が不敵に微笑むと、金髪のころより妖艶な笑みになるから不思議だ。
だから変にドキドキしてしまう。
「な、なお……やっぱ無理っ!」
「ふーん。じゃキスしちゃおうかな。こんな住宅街で。」
黒澤君の整った顔が近づいてくる。
「わかった!呼ぶからっ!」
「うん、じゃあ呼んで?」
簡単じゃないか。『な』と『お』と『や』を言うだけだもん。
たった三文字。簡単だよ。
「な、なお…っ、
なお…や…くん…」
私が必死に呼ぶと黒澤君は優しく笑った。
「今はそれで許してあげる。」
「ありがと…って、あれ?」
なんで私がお礼を言わなくちゃいけないの?