【完】金髪クンの恋愛事情
不思議に思い、みんなの視線の先をみているとそこにはみんなを睨んでる黒澤君がいた。
もうっ、睨むからみんなに怖がられちゃうんだよ?
そう思いながら黒澤君を見る。
黒澤君はその場に立ち尽くして動かない。
…そりゃ、そうか。
自分が教室に入ったとたんみんなが黙るんだもんね。
黒澤君はため息をついて教室を出て行こうとする。
「あ…ダメ…」
「ちょっ、優愛…⁉︎」
ガタッと席を立つ。
周りが一斉に私に注目する。
うっ…みんな、見てる…
昔から注目されるのが苦手な私は少し戸惑う。
でも私は止めなくちゃ。
黒澤君が帰るのを止めなくちゃ。
だって私は友達なんだから。
「く、黒澤君…!」
震えるような私の声。
いつもより小さい声だけど周りが静かだったから教室に響いた。