可愛いなんてバカらしい
気がつけば、色んな女どもが俺を見ては、


「かっこいいー!誰?うちの制服だよね?」


「声かけちゃおうかなぁ」


「写真!写真!」


などと言っている。


丸聞こえだぞ。


ま、この俺の顔が良すぎるからだがな。


この感じ悪くねぇな。



「やっぱ、お前、顔立ちいいからどっちでもモテんだな。もうイライラ通り越して清々しいぜぇ。」


海斗がブスっとした顔で周りの女を見渡した。


そんな海斗の様子を見て、さすがの俺も可哀想になってきた。


どうにかして慰めてやらなくては!


そうだ。


男は言葉にしなくても伝わるって言うよな...?


俺は海斗の肩をポンっと軽く叩いて、握り拳を作り、親指を空に向かって立てた。


「真琴、それ慰めになってねぇから...」
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