可愛いなんてバカらしい
もともと顔立ちが女みたいで間違われることは日常茶飯事だった。


近所のおばちゃんには「本当に女の子みたいねぇ、可愛い~」

嬉しかねぇよ。


隣のクラスの野郎には「沢谷が男でもいい!好きだ!」

訳分かんねぇよ。


アルバイト先の先輩には「今日の合コン、女の子1人足りねぇんだ。頼む!」

......俺は何を頼まれてんだ?


ま、そんなこんなで「女、女、女」と言われ続け、女に目覚めたのよ。


そこら辺の女よりはマシな顔だと自分でも思うしね。


しかし、これでも中身は男。


時折、女なんてやめちまおうか。と思う時がある。


だんだんバカらしくなってくるんだ。


俺はいったい何をしているのだろうかと。


死んだ両親に顔向けできねぇな。
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