可愛いなんてバカらしい

暗黙の境界

あれから1週間が経った。


「紀美どうしたんだろう...。」


なぜか大樹くんと話した日以来、紀美が学校に来なくなった。


大樹くんに話を聞いても話してくれない。


「今日も紀美に会いに行こう.....。」


毎日のように紀美の家に行っているが、部屋から出てこない。


ご両親にも事情を話していないらしい。


放課後になり、私は再び紀美の部屋の前に立つ。


「紀美....?私だよ。........今日は話せる?」


返事は帰ってこない。


「ちゃんと話そう?何があったの?」


やはりは返事は帰ってこない。


「ごめんねぇ、幸ちゃん...。
あの子、ご飯は食べてるみたいなんだけど...。
やっぱり学校で何かあったのかしら......?」


紀美ママは心配そうに今の現状を教えてくれる。


「....また来るね....」




今日も紀美は何も話してくれなかった。


こうなったら大樹くんに徹底的に聞くしかない。
< 35 / 72 >

この作品をシェア

pagetop