可愛いなんてバカらしい
次の日、紀美は学校に来た。


しかし......


「あの子、薬使って遊んでたんだってぇ」


「知ってた?薬使ったのバレて停学だったんだってぇ」


「薬使って警察に捕まったらしいよぉ」


学校では"紀美が薬を使っていた"という噂が流れていた。


どこから出た噂かは知らないけど、しょせん噂にすぎない。


「紀美、おはよう。風邪はなおった?」


紀美は風邪という設定で話をすすめた。


「今、紀美が薬使って遊んでたっていう噂聞いたんだけど、噂っておもしろいよねぇ。
そんな"バカ"な噂に流される人の方がおもしろいけど♪」


みんなの前で大きな声で言った。


回りは少しざわつき、みんなは口々に話し出す。


「なぁーんだ、やっぱり噂かぁ」


「誰だよ、薬って言ってた奴。」


「風邪だったんだぁ、薬なんてやっぱり嘘じゃなーい」


噂は瞬く間に広がり紀美の評判は収まりつつあった。


しかし、消えない噂が1つあった。


「大樹くん紀美ちゃんに告白したんだってぇ」


「それ知ってるー。フラれたんだって?」


「そうなの?!あんなイケメンを振るなんてバカでしょ。」
< 38 / 72 >

この作品をシェア

pagetop